バーボン オン・ザ・ロックNロール
- 2015年9月26日
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前回登場の崎濱氏よりギター練習レポートが届いた。
「練習してるよ!」と同氏。「バーボン飲りながらね。」
だそうだ。 ……………やだ、カッコいい。
さて、このバーボン。バブル時代にゃえらく流行った。
時はショットバー・カフェバー・プールバーの全盛期。
止まり木に片足おいてハーパー・ソーダかなんか頼んじゃってさっ。
女の子がいたらいたで、サイドレールにアーリータイムズのたっぷり
入ったロックグラス置いて、出来もしねぇのにマッセかまして店の人に
怒られてみたりと、みんなこうやって大人になったんだよね。ハイ。
筆者の10代 もとい若造時代、大人の、ちょっと不良の、そしてイケ
てる男の必須アイテムとして扱われていたそのバーボン。
実は映画には思ったほど登場しません。
少なくとも、『007』におけるマティーニのような役どころ….
“Vodka martini, shaken,not stirred.”
(007ドクターノオより)
“A dry martini. Wait. 3 measures Gordon’s, one of Vodka,
half of kina lillet, shake it over ice. Then add a thin slice of lemon peel”
(007カジノロワイヤルより)
は与えられていないような気がします。唯一記憶に残っているのは、
『ハスラー』でPニューマン扮するエディがJTSブラウンばっか飲んでる
ところ。
やはり、いまいちあか抜けないイメージが強いのか。
むしろ、バーボンがよく使われたのは日本のハードボイルドもの。
この酒精がもつ無骨さとタフガイのイメージがマッチしたのがその
理由でしょう。
事実、筆者もこの本の影響を受けてバーボンを飲み始めました。
主人公の川中良一の度胸・執念・強さ・タフネスさは超人的で、そりゃ
アンタ憧れたワ。川中は決まってワイルドターキー。それもストレート
で飲んでたっけ。
当然、真似しましたよ。ただ、50.5度のアルコールに何杯も耐えられる
ほど筆者の消化器は成熟しておらず、それ以上に旨くもないものに何万も
散財するほど粋じゃあなかった。(1ショット1,500円~1,800円
ぐらいだったんじゃないか。)
※この『さらば、荒野』はその後シリーズ化され、この後『碑銘』『肉迫』
『秋霜』『黒錆』『黙約』『残照』『鳥影』『聖域』『ふたたびの、荒野』
と続いた。作品に出てくるキャバレーの名にちなんで、俗に「ブラディドールもの」
と呼ばれとります。
ハードボイルド作家のもう一人の雄 大藪晴彦からはこちら。
『野獣死すべし』にその名が登場します。
リップヴァンウィンクル
もっとも、このネタの入手は小説ではなく松田優作主演の映画から。
しかも、扱われているのはバーボンのリップヴァンではなく元ネタのリップヴァン。
(ワシントン・アーヴィングの短編小説)
ただ、クライマックスシーンにおける固有名詞『リップヴァンウィンクル』が
あまりにも象徴的すぎて、ハードボイルドといえば優作といえば『このバーボン』
と刷り込まれてしまった。
ホントにすごいよ そのシーン。「手前にゃ後はねぇ」ことをラムベースの
カクテル「XYZ」のレシピを使って示唆するセリフもさることながら、優作は10分
の長回しで1回も瞬きしないんだから。
さて、頂きもののジャックダニエルが一本あったはず。今夜はいっちょ喉焼いて
みますか!? あの、やっぱ水割りで……
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