棚から一掴み
- 2016年9月8日
- 未分類
毎週月曜日には、自宅本棚より数冊の「待ち時間用」
文庫本を引っ張り出しておくのですが、
今週の「棚から一掴み」には
浅田次郎の『地下鉄(メトロ)に乗って』が潜んでおりました。
吉川英次文学新人賞を引っさげ鳴り物入りで映画化された作品
でもあるので、いまさら感想もなにもないのですが….
「戦国自衛隊」しかり、「BTF」しかり、「仁」しかり
タイムスリップものは面白いですねぇ。
テーマが都民の足である地下鉄ってのもいい!
本作がさほど寓話じみていないのは、きっと遡った過去が
比較的最近の東京オリンピック前夜であったこと、
そしてインフラや風俗について描写が適切だったからなんでしょう。
物語の冒頭、今昔の地下鉄事情の違いを浮き彫りにするシーンが
ありますが、当時を肌で知る読者にとってはこういった細かい
「仕込み」がタマんないんですよねぇ…..
(S43年生まれの筆者は知りません 念のため)
ファンタジーは、主人公が永田町駅から赤坂見付に通じる
長い地下道を出たら思わず新中野に出ちまった…
ところから始まります。
この新中野、もちろん昭和38年の新中野なのですが、
この時点では主人公は自身がタイムスリップしたことに
気付いておりません。
その後、溝の口までの乗り継ぎについて、通行人との
やりとりがあるのですが、それがてんで噛み合わない。
主人公の言い分は多分こうです…..
新中野→(丸の内線)→赤坂見附→(銀座線)→表参道
→(半蔵門線)→渋谷→(新玉線)→溝の口
で帰りたいのだが、半蔵門線がストップしてるのでどうしたらいいか?
いっぽう、それを聞いて爆笑する通行人は…
新中野→(丸の内線)→新宿→(山手線)→渋谷→(玉電)→溝の口
と質問者を諫める。
たっ 玉電…. て イモムシみたいなアレか?
昭和38年当時は半蔵門線も新玉線もなかったんですねぇ
更に言っちまえば、この作品だってもう20年以上前のモノ、
新玉線でさえ無くなっちゃってます。
現在では
新中野→(丸の内線)→新宿三丁目→(副都心線)→渋谷→(田園都市線)→溝の口
あたりが正解なんでしょう。
10年ひと昔とは云いますが、
こうしてみるとアレだね、今も昔も東京の地下鉄は複雑すぎるようです。
駅のアナウンスは何言ってるか分かんないし…..
やっぱ君が一番!
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