週末に珍客あり

５-６年ぶりに会うＳさんは

筆者と同じく内地からの『移住組』

御年も在沖縄も筆者よりちょっと先輩で、

かつては随分とお世話になりました。

 

あらたまっての話はこうです。

２０年務めた会社をリストラされた。

いくばくかの退職金が出たので、

これを元手に商売を始めたい。

ついては「知恵を貸せ」とのこと。

 

先輩　変わんねぇ…

家族抱えた５０代が仕事失ったら、

それだけで下がっちゃう人が多いのに…

 

曰く、

「何にも無かった頃に戻っただけ　それがどうした！？」

さすが！　何でも責任を転嫁したがるどこぞの地方紙とは

考え方の根っこが違う。

 

こういった無頼漢をみていると、

思い出さずにいられないのは坂口安吾の『堕落論』

かつて、部署争いだの出世争いだのウサンクサイ戦いに

疲れたときには繰り返し読んだ。

 

読めば分かるのですが、文豪の云う『堕落』は逆説的な意味で

『虚構を捨て人間本然の姿に徹する』ということ。

むしろ、ニーチェの云う『超人』の概念に近く、決してデカダンのこと

ではありません。

 

それにしても、身の上を誰のせいにするわけでもなく、

新たな未来に何の迷いも疑いもなく挑戦するＳさんの

堕落っぷりにゃ安吾も舌を巻くことでしょう。

応援せずにはいられません。

 

で、

「来週あたり酒でも..」とＳさん　　　　　へっへっ　お供しますよ♡

「おごれ！」　　　　　　　　　　　　 　……アンタ 絶対生き残る

 

 

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おまけ

夕日が綺麗だった週末の泡瀬漁港

Ｓさん　昔はよく海見ながらビール飲みましたね。