かつて我々は文字の民だった

「長年、女子サッカーを牽引してきた澤選手の引退を聞き~」

こんな書き出しで始まる手紙を頂きました。

 

差出人は、メールは「出来へん」と断じる関西在のH様。

お目見え当初より手紙でのやりとりをしておりますが、毎度毎度

個性に富んだ前文で始まる手紙は、もはや仕事を超えて筆者の楽しみと

成っております。

 

御年70のこの御仁、手垢にまみれたワードの挨拶文例を使うわけでも

なく、ましてや、なんでもかんでも「お世話になっております」で

始まる無粋で無神経な似非ビジネス文など決してよこさない。

 

そういえば、学生時分のライティング・クラスではこう云われたものです。

「ペーパーは相手に読んでもらうもの。君のマスターベーションではない。」

例えはともかく、数百の駄文を「読まなきゃならない」教授からすれば、

当然の要求だったかも知れません。

教授殿によれば、書き出しは云わば顔部分。 (無精)ヒゲ面だったり、

息が臭い輩の話なんぞ誰も聞きたくはないのと同様に、序章にclicheを

見出した時点で、読む気は「完全に失せる」そう。

事実、提出一週間後のリライト命令はこのクラスの風物詩でした。

※cliche  仏 決まり文句 陳腐な表現

 

この説に従うと、時候に触れるなど一定の紋切りで始まる日本風の手紙は、

季節感が薄くなった今、昔ほど「読欲」をそそられるものではないかも

知れません。

知ってか知らずかH様、毎回時事のスポーツネタで切り込んできて、

あらよっとツカミを攫って行きます。しかも、その内容もかなり濃くて、

時には玄人跣のコメントを添えてくることも。

 

氏の筆力もさることながら、アスリートでしかもふた回り下の読み手(筆者)

を退屈させないようにと、テーマ選びから構成まで細かいお心遣いが見え

隠れする。

H様、感服です。そして、いつもありがとうございます。

 

 

ただし、過度なタイガース擁護はご勘弁下さい。どう力説されたところで

マートンは戻ってきません。

 

 

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