マニアをもってマニアを制す。

体がまだまだ本調子じゃないもんだから、こないだの日曜はまったりDVDデー!

よせばいいのに、劇場で見て以来14年ぶりにこんなの見ちゃいました。

 

ハンニバル

2001年  『ハンニバル』

監督 リドリー・スコット  原作 トマス・ハリス

主演 アンソニー・ホプキンス

 

 

『羊たちの沈黙』シリーズは全て劇場鑑賞、小説も全て読んだ。

本作もわりと骨のある脚本だと思っていたが、やはり、前作と比べると

どうしてもグロさだけが目立ってしまう。特にエンディングの夕食シーン

は何度見ても(見たくもないが)胃液が逆流します。

もしかしたら、ジュリアン・ムーアの役不足感も、制作側がグロに走らさざるを

得なかった理由なのかもしれません。

(原作はある意味もっとヤバイ。なんたってクラリスも一緒になってアレ食ってん

だから。)

 

本ブログではエロ・グロはご法度。

で、本日のゴタクは本作のタイトルでもある固有名詞「ハンニバル」です。

この「Hannibal」、食人を表す形容詞・名詞である「cannibal」と掛けているのは

お察しのとおり。

 

本作前半ではフィレンツェがハンニバル・レクターにより血塗られることとなる

のですが、約2200年前のイタリア(帝政ローマです。念のため)も、同じ

「ハンニバル」の恐怖にさらされていたのをご存じか?

 

当時のローマはそこいら中の都市国家と戦をしていたわけですが、その一つに

カルタゴがありました。(チュニジアの首都チュニスあたりにあった都市国家)

ローマVSカルタゴと云えばポエニ戦争ですが、第二次ポエニ戦争を指揮した

カルタゴ軍の将軍の名がハンニバル・バルカです。

 

希代の戦略家であるハンニバルは、アルプスを越えてローマに入り、

「トレビアの戦い」・「トラシメヌス湖畔の戦い」・「カンナエの戦い」で

ローマ軍をことごとく屠り、ローマ市民を恐怖のどん底に陥れ、現代のイタリア

でもハンニバルは「げに恐ろしきもの」の象徴とされるとのこと。

とにかく、ここはトマス・ハリス一流の伏線といえるでしょう。

 

ちょっと脱線しますと、かつて政治学の授業で前述「カンナエの戦い」に触れる

機会があったのですが、教授殿によると、このときハンニバルが取った陣形は

現在でも包囲殲滅戦の手本とされているとのことでした。

 

端的にいえば、ドイツ帝国陸軍のシェリーフェンプランであったり、

日露戦争の奉天会戦、スターリンググラード攻防戦におけるソ連軍なぞは

この「カンナエ陣形」によるものだとか。

 

この時代の陸戦の主力はもちろん重装歩兵なのですが、ローマ軍が中央に配する

歩兵に全体の8割の人員を割いていたの対し、カルタゴ軍は両翼に配する騎兵の

割合がずっと高かったと云われます。

歩兵の力勝負ではローマに敵わないものの、押し込まれながらも機動力に富む

カルタゴ騎兵は敵の背後に回り、やがては一個師団を包囲する。

簡単に云えば、は前者が明治大学が得意とするラグビーに対して、後者が早稲田

のそれということです。

 

うっ

マニアワールドを回避したつもりが、気がつけば既に別のマニア横丁一丁目。

これが、筆者が「掘り下げ番長」の二つ名を持つ所以なのですが、

掘り下げついでに、もうひと掘りお付き合い下さい。

 

連戦連勝を誇っていたハンニバルも、その後ローマに現れた勇将、スキピオ・

アフリカヌスに「ザマの戦い」で敗れ、ここに第二次ポエニ戦争は終結します。

そういえば、同じリドリー・スコットの監督で古代ローマを舞台にした映画:

グラディエーターがありますが、この作品のなかでも「ザマの戦い」を模した

剣闘シーンがありましたっけ。

作中、コロッセウムの呼び出しの口上で、ハンニバルとスキピオの名も登場

しますが、 もしかしたらこれも次作の伏線だったのかも知れませんね。

興味のある方ぜひご覧あれ!

 

グラディエーター

2000年 『グラディエーター』

監督 リドリー・スコット

主演 ラッセル・クロウ

 

 

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